金沢市内、特に兼六園を中心とした半径1㎞圏内の兼六園周辺文化の森には、レトロな雰囲気で写真映えする近代建築が数多く残っています。明治・大正期の雰囲気に触れる旅を、ぜひお楽しみください。
行程には各スポット内の移動距離を、所要時間には各スポットの見学時間(30分~60分程度)を含んでいます。
約240m約3分
約320m約5分
約300m約5分
約80m約1分
かつて旧制第四高等中学校(現・金沢大学)として利用された赤レンガのモダンな建物。1階と2階の間や屋根瓦の下、窓のアーチ部分などには色の違う白いレンガが貼られるなど、装飾的な工夫が凝らされています。建築当初の間取りがほぼそのまま残る貴重な建物で、「学都」と呼ばれた往時の様子を今に伝えています。
DATA旧第四高等中学校本館(国指定重要文化財)
竣工年:明治24(1891)年
大正時代に建築されたかつての石川県庁舎は、石川県初の本格的な鉄筋コンクリート建造物。スクラッチタイルの外壁や大理石張りの中央階段、漆喰の照明飾りなどが保存され、建築当時と変わらない魅力を放っています。平成の移転後の大幅リニューアルでは増築部分が全面ガラス張りとなっており、金沢城の石垣が一望できます。
DATA旧石川県庁舎本館(国登録有形文化財)
竣工年:大正13(1924)年
広坂の神社の裏手から本多の森への階段を上った先にあるのは、急勾配の瓦葺屋根と正面に張り出した大きな三角破風が印象的な、一軒家のような洋風建築。大正時代に陸軍第九師団長官舎として建築されたもので、平成28(2016)年からは石川県立美術館の文化財修復工房のガイダンス施設として活用されています。
DATA旧陸軍第九師団長官舎(国登録有形文化財)
竣工年:大正11(1922)年
近現代の工芸・デザイン作品が収蔵されている国立工芸館。建物は明治後期に建築された旧陸軍の施設2棟が本多の森に移築・復元され、館として利用されています。過去に撤去された部分や外観の色なども建築当時に合わせて忠実に復元され、明治時代の雰囲気が感じられます。
DATA[左]旧陸軍第九師団司令部庁舎(国登録有形文化財)
竣工年:明治31(1898)年
DATA[右]旧陸軍金沢偕行(かいこう)社(国登録有形文化財)
竣工年:明治42(1909)年
旧陸軍第九師団司令部庁舎(2F階段ホール)
写真:太田拓実
明治末期から大正初期にかけて陸軍の兵器庫として建築された赤レンガ倉庫は、現在「石川県立歴史博物館」「加賀本多博物館」として活用中。建物の長さはおよそ90mあり、3棟並んだ姿は圧巻です。また、外観を忠実に復元しながら内装を補強する大規模改修も施されており、エントランスにはかつてのレンガ造りの基礎や木造の梁が復元・展示されています。
DATA旧金澤陸軍兵器支廠(ししょう)兵器庫(国指定重要文化財)
竣工年:明治42(1909)年(第3棟)、大正2(1913)年(第2棟)、大正3(1914)年(第1棟)