加賀百万石回遊ルート内の文化施設を、お得に巡ることができる「SAMURAI PASSPORT(サムライパスポート)」

SAMURAI PASSPORTの対象施設となっている「武家屋敷跡 野村家」は、アメリカの庭園専門誌が実施した日本庭園ランキングで3位に輝くなど、世界に認められた日本庭園を持つ武家屋敷です。そんな優美な日本庭園を持つ武家屋敷跡 野村家の代表者様に聞いた、施設の魅力をご紹介!

また、代表者様に「庭園」をテーマにおすすめスポットを聞き、リレー方式でおすすめスポットや見どころをご紹介します♪

「武家屋敷跡 野村家」の見どころをご紹介!

▲濡れ縁に座って長時間庭園を眺める人も多い。

長町にある『武家屋敷跡野村家』はわずか100坪ほどの小さな庭園ですが、国内外から多くの観光客が訪れる人気スポットです。
実はここ、アメリカの庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が2003年に初めて実施した日本庭園ランキングでは『足立美術館』(島根県)、『桂離宮』(京都府)に次いで第3位を獲得!
2009年初刊の「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも2つ星を獲得しました。

ちなみに、金沢市では3つ星は兼六園、2つ星はこちらと金沢21世紀美術館、1つ星は石川門だったそう。

▲『武家屋敷跡 野村家』代表・横江さん

「海外から高い評価を受けたことがきっかけで、国内の観光客の方も大変増えました」という『武家屋敷跡 野村家』の代表・横江さん。

「ここには元々、前田利家直属の家臣・野村伝兵衛のお屋敷がありました。この建物は加賀大聖寺藩の商人の豪邸から上段の間、謁見の間などを移築したものですが、土塀や樹齢400年の山桃・椎の木、曲水の一部はお屋敷があった当時のままの姿を残しています」

▲長町武家屋敷跡界隈で唯一、一般公開されている。

1階の上段の間は招いた藩主が訪れる場所だったため、総檜づくりの格天井や、紫檀・黒檀などの高級木材を使用した細工造り、お抱え絵師による襖絵、江戸時代のガラス“ギヤマン”がはめ込まれた障子戸など、まさに加賀百万石の文化を感じさせる豪華な作り。
柱を飾る“釘隠し”や襖の引き手にまで美しい細工彫が施されています。

▲畳の下の床板は六尺もの桐板張りになっている。

「こちらの曲水は金沢最古の大野庄用水の流れを引き込んでいます。曲水には様々な名石や奇岩で落水を設け、燈篭や木々を立体的に配することで、限りある空間により広がりを持たせています。また、上段の間からでも茶室からでも、春夏秋冬どの季節でも、常に美しくみえるよう計算された庭園なのです。」と横江さん。

緻密に作られた空間に、加賀文化の奥深さが感じられますね。

▲金沢最古の大野庄用水の水を引き入れて曲水に。

1階の奥には「鬼川文庫」と呼ばれる資料館があり、野村家縁の刀剣や明智光秀・朝倉義景らの書状が展示されています。
なかでも金沢の刀工「加州清光」の脇差が常設展示されているため、オンラインゲーム「刀剣乱舞」のファンも訪れるそう。

▲野村家の展示資料館「鬼川文庫」

どこを撮影しても絵になる『武家屋敷跡 野村家』は、有名なCMのロケ地としても使用されています。
老若男女国籍を問わず、たくさんの場所で撮影を楽しみ、ゆっくり過ごされる方が多いのだとか。

なお、2階には数寄屋建築の粋を感じさせる織部床の茶室「不莫庵」(ふばくあん)があり、お茶券(300円)を購入すれば抹茶と干菓子をいただけます。

▲2階の茶室「不莫庵(ふばくあん)」

落水の音や野鳥のさえずりに耳を澄ませながら、庭園を見下ろす贅沢なひと時を満喫してみてはいかがでしょうか?

武家屋敷跡 野村家

金沢市長町1-3-32
TEL/076-221-3553
料金/大人550円、高校生400円、小中学生250円
※20名以上は団体割引50円引き(要事前予約)
抹茶料(干菓子付)300円
※呈茶は毎時0分、15分、30分、45分。(1組4名まで)
営業時間/【4月~9月】8:30~17:30、【10月~3月】8:30~16:30
※入館は閉館の30分前まで
定休日/12/26・27、1/1・2
駐車場/6台

野村家 横江さんのおすすめスポットは、加賀藩・前田利家公とお松の方を祀る「尾山神社」です。
ギヤマンが嵌まった西洋風の神門が有名ですが、庭園も県の名勝に指定されていて大変見応えがあり、おすすめなのだとか。

神門だけじゃない!庭園にも魅力たっぷりの「尾山神社」へ

▲国指定重要文化財の「神門」

尾山神社・権禰宜の長谷さんに庭園をご案内いただき、魅力をたっぷりうかがいました!

ここは元々加賀藩主の別邸・金谷御殿がありました。5代藩主綱紀公の頃に原型が見られるこの庭園は、藩主が変わる度に少しずつ手を加えられ、江戸の末期、13代藩主・齊泰公の時代に現在の姿になったのだとか。

▲『尾山神社』権禰宜・長谷さん


庭園の側には2代から17代までの前田家歴代藩主と、その奥様を祀る『金谷神社』が建っており、お社を守るようにクロマツやアカマツ、杉、シイなど20種類以上の老木が植わっています。
金沢の街中という立地ながらも、神苑の林と美しい庭園にはカワセミなどの野鳥や昆虫などが多く生息。
まさに、都会のオアシスのような不思議な癒し空間となっています。

▲かつては辰巳用水の水を用いた「響音爆」

『尾山神社庭園』は辰巳用水を分流して水を引き入れた「池泉回遊式」の庭園で、池を中心に、中島とそれを結ぶ趣向を凝らした橋が架けられているのが特徴です。

▲神苑の木製の橋は、自由に渡れる。

「池の背後の小高い山も、この庭を愛でる目的で後から作られたものです。また、庭の各部には、笙(しょう)島や琵琶島、琴橋など、雅楽器にちなんだ名前が付けられているのも特徴です。また、池にかかっているレンガ造りの橋は、当時は珍しい形で、あの特徴的なアーチを真似て作られたのが、現在のギヤマンがある神門と言われています」と長谷さん。

▲3連アーチの「図月橋(とげつきょう)」も見所。

2021年に『尾山神社』の庭園の脇を通って金沢城の「鼠多門(ねずみたもん)」へと回遊するルートが作られ、こちらの庭を愛でに来る観光客の方も一気に増加したそう。


初詣や七五三、婚礼などでお参りに訪れる地元の方にも、これまであまり知られていなかった『尾山神社庭園』の魅力を、参拝時にぜひ堪能してみましょう。

尾山神社

金沢市尾山町11-1
TEL/076-231-7210
料金/拝観無料
営業時間/【お祓い時間】9:30〜15:30、【授与所・御朱印受付時間】8:30~18:00
定休日/なし

尾山神社の長谷さんのおすすめスポットは「玉泉院丸庭園」です。
2020年に尾山神社の境内から続く鼠多門(ねずみたもん)と、城内最大規模の木橋である鼠多門橋が復元されました。この鼠多門をくぐってすぐの場所にあるのが玉泉院丸庭園で、尾山神社からのアクセスも良く、簡単に名庭園をめぐることができます。

加賀藩主が代々愛でた庭園「玉泉院丸庭園」へ

▲池に浮かぶ「一の島」へと続く石橋(手前)

石川県金沢城・兼六園管理事務所の金沢城公園課長・小倉さんにご案内いただき、楽しみ方をうかがいました。

▲石川県金沢城・兼六園管理事務所の金沢城公園課長・小倉さん

こちらは加賀藩3代藩主・前田利常を始め、歴代藩主によって少しずつ手を加えられながら、廃藩となる明治まで金沢城内玉泉院丸に存在していた庭園だそう。
城内に引かれた辰巳用水を水源とする池泉回遊式の大名庭園で、池底からの周囲の石垣最上段までの高低差が22mもある立体的な造形でした。

▲「一の島」にかかる、園内唯一の木橋

「平成20年から5年かけて実施した発掘調査の成果や、絵図、文献、その他類似事例等に基づき設計、平成25年5月に整備工事に着手しました。遺構を保存する、全体に約2mの盛土を行い、その上に作庭しています。園内に設けられたこのような看板にはQRコードがありますので、専用アプリで読み込んでいただくと、発掘調査時の遺構画像がご覧いただけます」と小倉さん。

▲盛土の下に保存されている遺構の画像

主に宴や催しを行う場として活用された兼六園と比べ、「玉泉院丸庭園」は藩主のプライベートな内庭としての性格が強かったと考えられています。
滝と一体となった色紙短冊積石垣などの、意匠性の高い石垣群を庭の構成要素とする、他に類を見ない独創的な庭園であったようです。

▲玉泉院丸庭園の州浜(すはま)と木橋

「春は桜、夏は緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、まさに四季折々の美しい景観が魅力です。また、夜21時まで庭園や石垣がライトアップされるので、昼間とは違う雰囲気を感じていただけますよ」と小倉さん。

▲『玉泉庵』では和菓子と抹茶を頂ける。

池の正面に設けられた『玉泉庵』は、大きなガラス張りが特徴の茶亭。お抹茶と季節の生和菓子をいただきながら、お庭を愛でてみてはいかがでしょう。

玉泉院丸庭園

金沢市丸の内3
TEL/076-234-3800(石川県金沢城・兼六園管理事務所)
料金/入園無料
営業時間/【3月~10月15日】7:00~18:00、【10月16日~2月末】8:00~17:00
夜間ライトアップ【毎日】日没~21:00
駐車場/なし(車椅子専用駐車場あり。詳細は公式サイトにて)

玉泉庵

TEL/076-221-5008
料金/抹茶(生和菓子付)730円
営業時間/9:00~16:30(受付は16:00まで)
※12:00~13:00は清掃のため入館不可。
定休日/年末年始(12/29~1/3)※貸し切り利用等で臨時休業あり。